2007年04月06日

パスハ(キリスト復活祭)

4月8日の日曜日。

この日はマースレニッツァから7週間目にあたり、パスハ(キリスト復活祭)の日です。(ちなみに日付は毎年変わります)

西洋風に言えば「イースター」。



paskha_sinbun.jpg

こちらは去年のパスハ前の新聞記事。

見出しには「バーニャへ行って、クリーチを焼きましょう」とあります。

「バーニャ」とはロシア式サウナのこと。

新聞記事によれば、ロシア正教の伝統ではパスハの日の3日前に主婦は家の大掃除を始めます。また家族全員バーニャへ入って、体を浄めます。
そうやって心も体も浄めて、復活祭を迎えるのだそうです。


「クリーチ」はうちのマトも持っている、円筒形のケーキですね。


↓これこれ

mat_s0006n2_img.jpg



「クリーチ」「パスハ(カッテージチーズで作ったピラミッド型お菓子)」そして染めたゆで卵もパスハの3日前、木曜日に作るそうです。

(この新聞の右の方にはクリーチのレシピが載っています。ちなみに「鳥インフルエンザ」の予防のために、「卵はゆでる前にせっけんで良く洗いましょう!」というお医者さんのコメントも載っています)

ゆで卵を染める粉などは、スーパーなどでも売っているそうですが、伝統的でしかも安全なやり方はタマネギの皮といっしょに煮る方法だそう。

使うのは茶色じゃなくて赤いタマネギだと思います。(茶色だったら、なんか温泉卵みたいになっちゃいますよね。。。)

あとは果物とか野菜とかも使うそうです。

で、そうやって作ったお菓子と卵たちは、パスハの日に教会へ持っていってお浄めをしてもらうんですね。


以前も書きましたが、シュトは学生時代、ロシア語先生に薦められて東京は神田のニコライ堂のパスハに友人といっしょに参加したことがあります。

聖堂に入って、よくわからないままぼーっと待っていると、信者さんたちが次々とやって来ます。

その中の何人かはお手製らしいクリーチや染め付け卵を持って来ていて、聖堂の左のほうに設置してある台に置いて行きます。

いろんな形や色のクリーチが並んでいて、なかなか華やかな光景でした。


ニコライ堂には日本人信者はもちろん、在日ロシア人の信者さんもけっこう来ていました。
(ちなみに先生の話によれば、神田には「生粋のロシア人で、ちゃきちゃきの江戸っ子」というのがいるらしい。。。)

当時教育テレビの「ロシア語講座」に出演していたロシア女性も来ていて、テレビで見るより数段綺麗だったのが印象に残っています。


パスハの儀式は夜通し行われます。

ニコライ堂の主教(日本人)の説教もあったりしますが、それはほんの少しで、あとはひたすら賛美歌隊(正教はすべてアカペラ)が歌い、聖職者たちが忙しく立ち回り、人々はずっと立ちっぱなしで祈りを捧げているような感じでした。

(ちなみに東方キリスト教会の聖堂にはカトリックやプロテスタントの教会のような信者用の椅子はありません。信者さんはずっと立っているか、床にひざまずくかします。)

夜中の12時近くになると、主教の灯したろうそくからもらい火をしたロウソクを持って、キリストのイコン(聖像画)を先頭に全員が教会の周りをぐるりと一周します。

それが終わって聖堂に戻ると「キリスト復活せり!」となるようです。

そのあとも儀式は延々と続き、やっと朝の4時頃終わったのでした。


途中別館で少し座って休憩はしたのですが、さすがに疲れたシュトと友人。

電車もまだ動いてないし、開いている店といえば「吉野屋」ぐらい。

空腹だった二人は迷わず「牛丼」をかき込んで、家路についたのでありました。。。


なんか結末がとっても現実的になってしまいましたが、気力体力好奇心のある方は、お近くの正教の教会でパスハに参加されてはいかがでしょうか?


ところでパスハの時には特別のあいさつがあります。

実はシュトはモスクワで復活祭の日に見知らぬロシア人に、突然このあいさつをされたのですが、そのときはなんと答えたらいいのかわからず、相手をがっかりさせてしまいました。

というわけで、最後にそのあいさつをご紹介しておきますね。


「フリストス ヴォスクレス!(キリストは復活せり!)」

「ヴォイースチヌ ヴォスクレス!(まことに復活せり!」



mat_pashaL.jpg

※訂正です。
このカードはソ連時代ではなくて、1994年のものでした。
よく確認しないで書いてしまって申しわけありませんでした。

復活祭の最初のあいさつも、ちょっと私の思い違いで間違っていました(「イースス」ではなくて「フリストス」)ので訂正しました。
posted by シュト at 23:51| Comment(12) | TrackBack(0) | ロシアの風習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
シュトさん、こんばんは。
パスハ・・・一般的には無宗教で家が真言だから真言って
程度の日本人から見れば、圧倒される復活祭ですね。
タマゴを染めるという興味深いお話も面白かったです。
石鹸でよく洗えば大丈夫って本当なのかしら?
家族全員でバーニャに入るのが習慣なのですね。
ところでシュトさんは、パスハに参加したことがあったのですね。さすがです。
そんな夜通しに日本でもロシアと同じように行うのですね。
疲れるけれど、いい体験でしたよね。
ソ連時代のカード、色合いが素敵!
Posted by belgium44 at 2007年04月07日 01:48
「復活祭」というと、アメリカ映画とかでしか見たイメージしかない身には
「子供達がタマゴを探すイベント」という感じですが、
やはり厳かな行事なのですね〜。
(もちろんアメリカでも信者の方にとってはそうなのでしょう)
ニコライ堂は私は近くを通ったことがあるくらいなのですが、
興味のそそられる建物です。
中に入られた事があるシュトさん、うらやましいです。ステキな経験でしたネ!
とりあえず今日私は、自分の「パスハ・マト」をナデナデしたいと思います(笑)
Posted by タビ at 2007年04月08日 20:42
 今日は復活祭でしたね。
ロシア正教のパスハ、一度見てみたいですね。アカペラの聖歌聞いてみたいと思いました。
私はプロテスタントのクリスチャンだったので、復活祭は知っていますが、伝統より信仰を重んじるアメリカ系の教会だったので、卵に色を塗るようなことはしませんでした。
 しかしイエス様が墓よりよみがえられた喜びの日として祝ったのを覚えています。
 ソ連時代は、宗教はかなり制限されていたと聞きましたが、今は自由になって本当によかったですね。カードのマトちゃんが手にしているのはネコヤナギですか?
Posted by フデ at 2007年04月08日 22:20
belgium44さんへ
お返事遅くなってすみません。
確かに卵をあらえば鳥インフルエンザ対策になるかどうかは疑問ですよね。。。
東方キリスト教というのは、儀式とか聖堂の装飾がすごく荘厳なのが特徴だと思います。
夜通しのパスハはやはりかなり疲れましたが、信者の方たちはすごく熱心にお祈りしていて、すごいな〜と思っていました。
ロシアは遠いようで、けっこう身近なところでロシアの伝統をかいま見ることができて興味深かったです。
カードの色合いはたしかに独特ですよね。赤と青の色づかいがやっぱりロシア風かなと思います。
Posted by シュト at 2007年04月10日 00:14
タビさんへ
私は逆にアメリカやヨーロッパの復活祭がどんなものかよく知らないんです。イースターエッグはよく聞きますけどね。ロシアでは復活祭の卵と卵を二人でぶつけあって、割れなかった方に幸運が来る、みたいな占いがあるようです。
ニコライ堂は私も大好きな建物なんですよね。戦前からの神田のシンボル的建物が、ロシア正教の聖堂というのもちょっと面白いですよね。中はロシアの古い聖堂とはかなり趣はちがいますが、正教らしくとっても荘厳な感じでしたよ。
フデさんのところへ行ったうちのパスハマト、なでなでしていただいて、ありがとうございます(笑)。
Posted by シュト at 2007年04月10日 00:24
フデさんへ
アカペラの聖歌は私もこのときはじめて聞いたように思います。あとではじめてロシアに行ったときも、教会の外で信者さんたちが歌っているのを聞いたことがあります。正教では神が与えたもっともすばらしい楽器は人間の声だから、アカペラなんだそうです。カトリックやプロテスタントの賛美歌とはまた違った、独特の響きがありました。特に女性の発声が特徴的な感じがします。
ソ連時代は、特にスターリンの時代はかなり過酷な弾圧があったみたいですが、今はすごい勢いでキリスト教が盛り返しています。すごく時代が変わりましたね。
マトちゃんが手にしているは、おっしゃるとおりネコヤナギです。今お店のトップに画面にも、最近送られてきたネコヤナギの写真を載せています。この時期を象徴する植物なんですね。
Posted by シュト at 2007年04月10日 00:36
マトちゃんの持っているケーキが美味しそうです!

宗教に関心の薄い日本人からすると、海外のそういった
行事はとても厳かなように感じられますね。
だけど、ある意味「お祭り」だからそれはそれで
楽しいのでしょうね。
それにしても朝の4時頃に終わる儀式というのも
なかなか気合が入っていますねぇ…。
Posted by etranger at 2007年04月10日 12:56
etrangerさんへ
正教はとくに儀式や典礼が壮麗なので、日本人にとっては、ほんとに非日常的な空間でした。
復活祭では厳かな気持ちだったり、お祭り的に楽しんだり、人によっていろいろでしょうね。日本のある正教会ではみんなでクリーチを作ったり、卵を染めたり、ロシア料理を作ったりというイベントもあったようです。
そう、儀式はたしかに気合いが入っていましたよ。聖職者の人はもちろん、信者さんでもずっと立ちっぱなしの人とかいましたからね。やっぱり日本の正教会の総本山だけのことはありますね。
Posted by シュト at 2007年04月11日 00:07
今、ロシアから親戚の女の子が我が家へ遊びに来ていて、パスハの卵用に売られているすごーく便利なしろものを持って来ました。セロファンのような、つるつるした素材で、パレフの小箱に描かれているようなきれいな絵が印刷されており、筒状になっているので、ゆで卵にすっぽりかぶせ、お湯に数秒入れると熱でそのシートが卵にぴったりくっつき、あっという間にイースターエッグができあがるのです。ロシアもいろんな便利なものが出てきたんだなーと感心しました。そして、もちろん皆で卵をコンコンとぶつけ合う、というのもしましたよ。
Posted by Bulochka at 2007年04月17日 13:34
Bulochkaさんへ
コメントありがとうございます!
今はほんとに便利なものが売っているんですね。
これなら手も汚れないし、おなべかボールひとつあればできてしまいますね。
こういうのができているっていうことは、パスハもけっこう国民的なお祭りっぽくなっているんでしょうか。
卵をぶつけあう占い私もやってみたいです!
よかったらまた遊びに来てください。
Posted by シュト at 2007年04月17日 22:10
おもしろいですね〜。
ロシアは私にとって未知の世界なので、シュトさんのブログはとーってもおもしろいです。
バスハ、体験してみたいです!!
Posted by aya at 2007年05月13日 04:52
ayaさんへ
正教の教会はあまり知られていませんが実はけっこう日本各地にあるようです。たしか京都にもあったはずです。タマネギ屋根ではないかもしれませんが、きっと儀式は同じような感じではないかと思いますよ。来年はちょっとのぞいて見られるといいかもしれませんね。
Posted by シュト at 2007年05月13日 14:50
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